2011年5月22日
『岩手県 国語辞典を見つめ直す』
岩手県有数の進学校として有名な盛岡一高ですが、
盛岡農業高校に次いで岩手県で2番目に古い歴史を持っています。
盛岡一高は長い歴史の中で、多くの著名人を輩出しています。
今回はその中から、「金田一京助氏」をご紹介します。
「金田一京助」という名前をどこかで見たことがあるのではないでしょうか。
そう、国語辞典の表紙に「金田一京助 編」と書かれているのを
見たことがあると思います。
私も小学生の頃、祖父からもらった国語辞典にも「金田一京助 編」と記載がありました。
ところが、もっとも有名な「明解国語辞典」はもとより、
ほとんどの国語辞典に「金田一京助 編」という記載がありますが、
単に名前を貸しただけで、辞書は一冊も手掛けていないという話もあるから驚きです。
実際は東京大学の教え子が編纂した辞書を発行する際に名前を貸し、
アクセントの表記などに関しては協力をしたとのことです。
昭和天皇にアイヌ語について講義をしたこともあるほどの研究者であり、
民俗学の権威でもあり、今みなさんが学校で習っている標準語の制定にも関わった
言語学の第一人者であることから、権威付けの意味合いが強かったようです。
推理小説の主人公の名探偵、金田一耕助も
金田一京助の名前がもとになっています。
また、テレビなどで見かける国語学者の金田一秀穂氏は、京助氏の孫にあたります。
今一度手元にある国語辞典を確認してみてください。
普段何気なく使っている言葉でも、知っているつもりになっているだけの言葉や、
勘違いして覚えている言葉もあり、改めて辞書を引き意味を見ると、新鮮な驚きがあると思います。
少しでも不安に思ったら、すぐに辞書を引くようにし、
正しい意味を身につけていきましょう。