2020年3月10日
教育改革はAIの影響?変わる!小学校の新カリキュラム
●2020年4月から教科書の指導要領が改訂
2018年からの移行期間を経て新しい指導要領が完全実施
現代社会はAI技術の進展やグローバル化といった社会的変化が予測を超えて進展するなど、変化が激しい社会です。
今の子ども達が大人になる頃には、どのような未来になるか不確実な面があります。
このような中で、課題に主体的に取り組み、国境を越えた広い視野をもって
変化を乗り越えられる力を身に付けていくことを重視することが改訂の背景にあります。
●中学レベルの英語力が求められる?
2020年度から英語(学習指導要領では「外国語」と表記)が小学校3年生から「外国語活動」として導入されます。
3・4年生と英語に慣れ親しむことを主な目的とし、「聞く」「話す」のコミュニケーションを中心に週1回授業が行われます。
学校としては、現在の小学校5、6年生で行われている授業を2年早めることになります。
5・6年生では授業が週2回に増え、評価が伴い、通知表で成績がつく教科となります。
「聞く」「話す」に加え、「書く」「文法」といった要素も指導される予定です。
小学5年生と中学1年生の教科書のページ数は130ページ程とほぼ同じです。
中学生は授業が週4回行われますが、小学生は週2回と半分の授業時間で学習することになるため、
時間当たりの学習量は小学生の方が多くなります。
つまり、実質的に英語教育が「早まり」、「授業速度が上がる」ことになります。
●問題量は1.3倍以上!算数の変化
基礎的・基本的な知識・技能を確実に定着させるため、発達や学年の段階に応じた
反復指導を重視した教育になります。
そのため算数では、練習問題の数が約1.3倍に増加します。
また、「速さ」「メートルを中心とする単位換算」が小6から小5への内容に変更されます。
これらの内容は小学生がつまずきやすい内容ですので、注意が必要です。
一方で単純な計算ではない、グラフや文章の読み取りも重視されます。
こうした問題は実社会との繋がりを意識しており、社会など他の科目とも絡めた
「科目横断的」な問題が増えることになります。
その他、教科書にQRコードが記載されます。宿題ではそうしたQRコードから類題を解くことが
示唆されており、問題数はさらに増えることになります。
先ほどお伝えしたように、英語の授業が週2回増えるため、
その分算数の授業時間が少なくなる可能性にも注意が必要です。
●プログラミング教育の必修化 ICT活用スキルが求められる
AI(人工知能)や情報化の急速な進化に対応できるよう、小学校から情報やコンピューターを学習し、
中学や高校で思考力をつけるため、プログラミング教育の授業が必修化されます。
「プログラミング教育」で培われる能力は実際にプログラミングのコードを打つ、
機械を動かす能力といったものではなく、「目的の達成のためにどのような手順が必要かを考える」
といった、論理的な思考力です。
2020年度からは論理的思考力を身に付けるために、児童がプログラミングを実際に体験したり、
コンピュータに意図した処理を行わせるための学習活動が計画的に実施されていきます。
ただし、新しい教科ではなく、数学の授業の一部など、現行の各教科の中に組み込まれていきます。
AIに使われる人材ではなく、AIを使いこなす人材こそがこれから先の時代は、求められています。
このように社会の変化に伴い、学校教育も少しずつ変化しています。
これからの時代で活躍できるように、新カリキュラムの学習に取り組んでいきましょう!