2011年10月6日
三重県公立高校入試後期選抜 【国語】④<文学的文章>傾向と対策
三重県公立高校入試の傾向と対策、今回は国語の文学的文章についてです。
文学的文章とは、教科書にも出てくる小説のことです。登場人物の名前が出てきたり、会話文が出てきたりするので、論理的文章よりは比較的読み慣れていると答える中学生が多いように思います。
三重県の県立高校入試で大問の1として毎年出題されています。
平成24年度もこの傾向は続くと予想されます。
文章の長さは、2500字前後のものが毎年出題されています。会話文も出てくるので別紙1の全面を使っていますが、読み進めやすいと感じるでしょう。教科書に取り上げられている小説文と比べると、その1/3程度の長さです。3~5分ほどで一読できるでしょう。
出題は、文学史で分けると明治・大正時代の近代小説よりは、それ以降の現代小説が近年よく出されています。平成20年度は、重松清という現在も書店で毎月のように新作を発表している作家の短編小説の一部が出題されました。
大問1の小説では、登場人物の心情の変化を読み取れるかを設問で問われるので、心情をずっしりと書いた新刊本の中から取り上げられる可能性も十分にあります。
また、三重県の入試の場合、詩、短歌、俳句、鑑賞文も過去に大問4として取り上げられたことがあるので注意しましょう。詩歌も感動や心情を味わうという目的で書かれたものなので、文学的文章の中に含まれます。
次に配点について。大問1の文学的文章は、50点満点中15~18点を占めていて、2の論理的文章とほぼ同じ、全体の1/3の配点を占めています。大問4に詩歌が出されたとしても、大問1と4でほぼ1/3強という配点になっています。
大問1は6問の小問から成っています。
その中の1問には必ず漢字の知識を問う問題が出題されるのが三重県の傾向です。あと1問は文法に関する問い。さらに1問は漢字の読み書きが数題出題されます。内容については<漢字・文法>のブログを参考にしてください。そして残りの3問が小説の内容を問う問題です。傍線の引かれた部分についての読解問題で「〇〇にふれて本文中の言葉を使って書きなさい」という条件を示して解答文を書く形式です。また、「一文を文章中から抜き出し、最初の〇文字を書きなさい」という形式の設問もあります。こちらは本文中からそっくりそのままその箇所を手を加えず抜き出す、という作業を忠実に行いましょう。
2の論説文と同様、解答スペースを見て、1~3行に書くのか、マス目に〇字で書くのかも素早く頭に入れて、本文から解答文を作っていきましょう。
最後に、文学的文章を点数に結び付けるためのポイントです。
日常、楽しく小説を読むときの姿勢とは全く異なった、点数のための作業をしながら読む方法に変えることがポイントです。必ず鉛筆で登場人物を〇で囲み、「いつ」「どこで」「誰が」「どうした」というストーリーの展開に線を引きながら読んでいく訓練をしましょう。
人物の心情をとらえるには、「嬉しい」「悲しい」といった気持ちを直接表している言葉のほかに、人物の行動描写や情景の描写にも注意して波線を引きながら読み進めていくとよい。
一方、論説文や評論文では、何回も繰り返し出てくる言葉に鉛筆で線を引いていくのがよいでしょう。論理的な文章の場合、何回も出てきた言葉がキーワードであることが多く、要旨をとらえるために大切な作業です。
この作業が「この文章の内容に合うものを選びなさい」という形式の問題の解答にも役立ちます。