2011年9月21日
熊本県高校入試 英語②会話文・長文読解の傾向と対策
熊本県公立高校入試問題では、会話文と長文が必ず全部で3題は出る。出題の傾向としては、長文は、高校生が異文化と触れ合うことで学んだ内容のスピーチ原稿であることが多い。異文化と接したことで感動したり、学んだことについて述べたものになっている。他にも、様々な経験や話から何かを学んで気付いた内容について書かれたものであることが多い。
今回は、過去6年間の会話文でどのような表現が使われていたかについて、平成23年度の長文の問題を実際に取り上げて、どの箇所を重点的に読んで、それが質問とどのように結びついているかについて述べたいと思う。
◆過去の入試問題で用いられた会話文でよく使われる表現
◎平成18年度
How was ~ ? 「~はどうでしたか?」
Welcome to ~ 「~へようこそ」
Tell me about it. 「私にそのことを教えてください。」
Sure. 「もちろん。」
◎平成19年度
How do you like ~ ? 「~はいかがですか?」
That’s too bad. 「お気の毒に」
Oh, did you ? 「あら、あなたがですか?」
Excuse me. 「すみません。」
Will you tell me the way ~ ? 「道を教えてもらえませんか?」
That will help me a lot. 「大変助かります。」
◎平成20年度
Let’s ~. 「~しましょう。」 ※平成23年度にも出題
(Shall we ~ ? 、Why don’t we ~ ? 、How about ~ing ? 等とも書き換えられるように。)
the time for ~ing 「~する時間」
of course 「もちろん」
a good way to ~ 「~する良い方法」
◎平成21年度
feel happy to ~ 「~して楽しい」
What do you mean? 「どういう意味ですか?」
That’s right. 「その通り」
Here you are. 「ここにあります。」
How about you ? 「あなたはどうですか?」
◎平成22年度
It’s about 11:20. 「今だいたい11時20分です。」
It’s Saturday today. 「今日は土曜日です。」
What do you want ? 「何がほしいですか?」
Can I help you ? 「いらっしゃいませ。」
~, please. 「~をください。」
Anything else ? 「他に何かいりませんか?」
I’ll have the same one. 「同じものをもらいます。」
That’s all. 「それで全部です。」
How much is it ? 「いくらですか?」
◎平成23年度
I hear that ~ 「~だそうですね」
Great. 「素晴らしい」
See you then. 「その時に会いましょう」
Will you ~ ? 「~してもらえませんか?~しませんか?」
Sure 「もちろん」
(Of course./ Certainly./ All right./ O.K. 等の表現も使えるようになろう)
change buses 「バスを乗り換える」
You’ll see ~ . 「~が見えるでしょう。」
長文に関して、どういう点に注意して読むべきかについて、平成23年に出題された3 の長文を例に述べていく。
まず、長文では、
「段落の一番最初と最後」「butの後」「mustやshould等の強い助動詞が使われている文章」
「important(重要な)が使われている文章」
「I learned that ~(私は~ということを学びました)等、登場人物の成長が伺われる文章」
「for example (例えば)の前の文章(具体例を出してまで説明したい内容だから)」
を重点的に読む必要がある。また、長文の中で出てくる指示語が何を指しているかはきちんと把握しよう。
実際に、3の文章で検証すると、1段落目の最後に
But he went back to America and a new English teacher came to our school.
His name was Mr. Smith and he is from the U.K.
「しかし、彼(ブラウン先生)はアメリカに帰って、新しい英語の先生が来ました。
彼の名前はスミス先生でイギリス出身です。」
この文章は、butの後ろになっているのと、物語が新しく展開されているので非常に重要になっている。そして、実際問5で関連した正誤問題として出ている。
Mr. Brown and Mr. Smith came from America to Yukiko’s high school.
「ブラウン先生とスミス先生は由紀子の高校にアメリカから来ました。」
当然、答えは×である。
さらに、読み進めると、
During our conversation, I found that some of his English words were different from Mr. Brown’s words.
「私達の会話の間に、私は彼の(スミス先生の)英単語のいくつかがブラウン先生の使う単語と異なることに気付いた」
とある。熊本県の公立高校入試問題では、「登場人物が何かを発見して、何かを学び、成長した」という流れの文章がよく出される。そして、前述のように、このように登場人物が何かに気付いた箇所は非常に重要である。そして、実際この箇所は、問1(1)の英問英答で問われている。
What did Yukiko find about Mr. Smith’s English during their conversation ?
「由紀子は、スミス先生との会話中、彼の英語に関して何に気付きましたか?」
とあるので、もちろんI→She、という代名詞の置き換えをして、
「She found that some of his English words were different from Mr. Brown’s words(ones).」
となる。
この調子で問題に当たれば、何問も正解することが出来るから面白い。
そして、長文を読む時に重要なのは、現代文でもそうなのだが、どの部分がどの箇所の言い換えになっているかを意識することである。そして、こういう言い換えの箇所も出題される可能性が非常に高い。
平成23年度の問3を例にとれば、2段落目の最後から2行目の
「My English and his English are basically the same, but there are some differences in the words.
「私(スミス先生)と彼(ブラウン先生)の英語は基本的に同じだが、単語にいくつかの違いがある。」
という文章がある。この箇所とほぼ同じ内容を言っているのが、次の段落の2行目からの
This is a table of different words with the ( ) meanings.
「これは、( )意味を持った違う言葉の表です。」
である。そして、表に「British English (イギリス英語)」と「American English (アメリカ英語)」という言葉がある。British English → Mr. Smith、American English → Mr. Brown であることに気付こう。そうすれば、basically the same → with the same ( meaning ) となる。
英語は、出題者が意図するところがはっきりしている。重要な箇所に線を引いたりして、長文の大意をつかむことと、読み込むことによって、どこがどの箇所の「言い換え」になっているかが分かるようになるまで読解力を上げれば、満点を取ることも出来る教科だと思う。