教育プランナーブログ

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過去6年間で、確率・統計の問題は必ず一問は出題されています。この分野の問題は、なんの公式も知らなくても、樹形図を書いたり、その条件に当てはまる場合を抜き出したりして答えを求めることが出来るのが特徴です。また、確率を求める時には、「その事象が起こる場合の数/全体の場合の数」を計算すれば求められます。

ただ、数学の問題を解くためには速さと正確さが問われます。

どのように時間を短縮して、余裕を持って試験に臨めるかという観点から、今回は今までの問題形式を分析していきます。

 

平成18年度~23年度まで、カードとサイコロを同時に使った問題がたくさん出題されています。これらに共通して言えるのは、「ルールをきちんと理解してその場合をもれなく書き出す必要がある」ということです。熊本県の問題では、サイコロにはA、Bの名称が与えられており、それぞれのサイコロの出る目をa,bとしています。

 

平成18年度の問題では、a>b、a=b、a<bの3つのパターンでどのようなカードが取られるかを書くものでした。落ち着いて問題に取り組めばかなり簡単な問題です。また、(2)の「8が書かれたカードが取られる確率を求めなさい」という問題に関しては、8は、2か4の倍数だから3つのパターンの中で2か4の倍数を作るにはどうすればいいかと考えれば何の問題もないでしょう。そして、基本的な事柄なので皆さんもうご存知だと思いますが、サイコロの問題で2つのサイコロを投げて、その場合の数を考える時には、サイコロの目はそれぞれ6通りずつあるので、各々の6通りに対して6通りずつあるという「積の法則」を使って、分母は36になることをもう一度確認しておきましょう。

 

平成19年度の問題も、サイコロと石を使った問題でした。A、Bのサイコロの出た目をa,bとおいて、左から数えてa番目とb番目までにある石を取った時の数に関する問題です。(1)の問題は、規則を理解すればその通りに黒い石を取って、その数を数えるだけの問題になっています。(2)は、「得点が5になる時の確率が1/6になるように第2列を並べたい」となっています。前述したように、2個のサイコロの組み合わせは積の法則を使って36通りあるので、1/6→6/36ということに気付きましょう。そして、点数が5点になるためには、黒い石は2列目には最大3個しかないので、最低1列目で2個は必要だと考えましょう。必ず法則性はあるので、それぞれの場合に従って解いていくと答えは出せるはずです。

 

平成20年度の、カードから同時に3枚選んだ時の問題に関しては、「同時に」という言葉がキーワードになっています。確率の問題では、n個からr個を同時に選んだ時には、「組み合わせ」を使うと考えましょう。もちろん一つ一つ組み合わせて考えてもいいのですが、「n×(n-1)×…×(n-r+1)/r×(r-1)…×1」という公式を使ってもいいでしょう。また、n個からr個を別々に選んだ時には、「並べ方」と考えましょう。先に述べた公式の分子の「n×(n-1)×…×(n-r+1)」で計算することが出来ます。そうすれば、この手の問題は大体解く事が出来るでしょう。この計算式に慣れるためにもまず、家庭教師の先生に何故こういう式が使えるのかということを指導してもらってから「理解する」ことが学力向上へとつながると思います。

 

平成21年の問題で、サイコロを振って「aとbが等しい場合は、aと同じ数字が書かれたカードを一番上に重ねる」のと「aとbが異なる時には、aと同じ数字のカードを一番前に持ってきて、bと同じ数字のカードを一番下に置く」というルールで「見えなくなるカードが5枚以上になる確率」を求めるのがあった。これは、サイコロの目は6までしかないのだから、aとbが等しい時には、「0,1,2,3,4」の5枚以上のカードが隠れればいいから、サイコロは5か6になるので、(a,b)=(5,5)(6,6)となる。ここで、中にはさいころの目が6までしかないということを忘れて(7,7)などの場合を書く生徒さんもいますが、常に状況とルールを意識してケアレスミスを防ぎましょう。また、aとbが異なる時、aが4で「0,1,2,3」の4枚を隠して、bで5か6を出せば全部で5枚隠すことが出来ると考えると、(a,b)=(4,5)(4,6)となりますし、また、aで5以上が出たらあとは何が出てももう5枚以上隠せているので、bは何が出ても構いません。(a,b)=(5,1)(5,2)(5,3)(5,4)(5,6)(6,1)(6,2)(6,3)(6,4)(6,5)となります。全部で14通りになり、確率は14/36で、7/18となります。

 

平成23年の問題も、4枚のカードから3枚同時に選ぶので、「4×3×2/3×2×1」で4通りの選び方があることになります。一人が4通りなので、それぞれに対して相手が4通りの選び方を持っているということで、分母は16通りになります。あとは、「一番大きい数と一番小さい数を足す」というルールに従えば、大輔さんの数が美咲さんの数を超える場合の数を抜き出すだけになります。

 

確率の問題は、「ルールをきちんと理解して、その条件にあてはまる場合の数をもらさず書き出す」ことで、正解することが出来ます。また、条件に合うように場合を作るためにはどうしたら良いのだろうと考えて、そうなる場合の条件がいくつか出ることもあります。そういう時には、場合分けをして考えると良いでしょう。

しっかりルールを意識して、そのルールを守った条件を抜き出せば、何も難しくないのが確率の問題なのです。

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