教育プランナーブログ

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熊本県立高校入試の傾向と対策シリーズ化学分野です。

今回もかなり内容が濃くなっています。ぜひ学習に活かして下さい。

 

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熊本県高校入試・化学の出題の特徴は、同じ問題や同じ分野の問題が何回も出題されていることにある。実際、皆さんが最近受けた第一回共通テストでは、平成23年度の公立高校入試に出題された問題と全く同じ問題が何問か出題されていたことに気付いた生徒もいただろう。化学はある程度「山を張る」ことが出来る教科で、今までも生徒に対してテスト直前に「山を張った」問題はかなり高確率で出題されている。今回は、過去6年間でどのような問題が繰り返し出題されているかということと、今後出題された時に正解を導くためのテクニックについて書きたいと思う。

 

中学校では、新しい学習指導要領に来年度から完全移項されるに伴って、旧学習指導要領の内容に加えて「原子・原子核・電子・陽子」などについて学習することになっている。今は、「移行措置期間」なので、生徒の皆さんは「移行措置副教材」等を用いて追加された内容を学習していることだろう。このことが、化学の出題にどのような影響を与えたかというと、原子の構造の問題については未だに出題されたことはないが、平成22年度には電気分解の内容が出題され、その中で原子の「電離」や、水の分解を模型図を用いて表すような問題が出題された。平成23年度には原子についての出題はなかったが、「原子」に関しては様々な角度から学習する必要があるので、過去の出題の傾向等と絡めて述べたいと思う。

 

化学の分野は、1年生で学習する「物質の姿」「酸・アルカリと中和」等、2年生で学習する「化学変化と原子・分子」「化合と化学反応式」等、3年生で学習する「物質と化学反応の利用」「酸化と還元」「電気分解とイオン」等がある。過去6年間で、1年生で学習する内容は4回、2年生で学習する内容は4回、3年生で学習する内容は2回出題された。どのような問題形式で出題されて、どのように問題解決するべきだったかを記載していく。

 

平成18年度には、「単体」という言葉についてと、その例を書く問題が出題されている。これと同じ問題は、平成23年度にも出題されている。大切なのは、中学校2年生で学習する「物質には混合物と純粋な物質があって、純粋な物質には単体と化合物がある」ということである。また、「単体は一種類の物質から出来ているのに対して、化合物は2種類以上の物質から出来ている」ということが分かっていれば解けたと思う。また、周期表は、最低カルシウムまでは覚える必要があるが、「水平リーベ僕の舟名前あるシップスクラーク閣下」という覚え方で難なく覚えることが出来るように思う。もしコツが分からない人がいたら、家庭教師や学校の先生に相談しよう。

また、酸化銅の分解についても出題されていたが、「酸化銅が銅になると黒色から赤褐色に変化して酸素がなくなるため軽くなる」という簡単な内容に留まっている。また、この内容は平成20年度にも出ていて、ここでは「定比例の法則」を絡めた難易度が上がった問題になっている。「銅対酸素=4対1、マグネシウム対酸素=3対2」で結びつくことは、必ず覚えておく必要がある。グラフから読み取る形で出題されることもあるが、知識として持っていると安心できる。この定比例の法則は、マグネシウムの酸化として、平成20年度に2題も出題されている。上記の知識があれば、比を使って解く事ができるのだ。 

 

平成19年度では、中和に関する問題が出題されていて、中和に関しては平成21年度と平成23年度にも出題されている。平成23年度には、加えた水酸化ナトリウム(アルカリ)と発生する気体(水素)の関係式をグラフに書く問題が出題されている。ここでは、実験で「水素が発生しなくなった」→「塩酸が違う物質になった」→「中和された」ということに気付く必要がある。そして、グラフから読み取って10cm3の塩酸を中和するために必要な水酸化ナトリウムが約5.5cm3だから、7cm3の塩酸を中和させるためには何cm3の水酸化ナトリウムが必要かは比を使って簡単に解く事が出来る。中和に関して自信がない人は家庭教師の先生に説明してもらうといい。ただ、最低限必要な知識である「酸(水素イオン)+アルカリ(水酸化物イオン)→塩+水」は、覚えておこう。もちろん、この知識に関連した問題も何題か出題されている。

 

また同年には、気体の作り方、集め方、性質に関しての出題がされた。二酸化炭素を作るためには石灰石か貝殻か炭酸水素ナトリウムに塩酸を加えることを始め、酸素・水素・アンモニア等の主要な気体の作り方と集め方についてはしっかりまとめておこう。この年には記述で述べさせる問題が出題されている。また、指示薬を用いた結果からその気体が何であるか推測する問題も出題された。「石灰水が白く濁った→二酸化炭素が発生した」というのは、王道中の王道だが、最低限BTB液、フェノールフタレイン液、リトマス紙、ムラサキキャベツ液(頻度はかなり低い)、塩化コバルト紙の色の変化については言えるようになろう。

 

平成20年度には、酸化と燃焼についての定義が出題された。非常に簡単な問題だと思う。酸化には2種類あって、激しい反応で熱や光を発生するものを「燃焼」というのに対して、おだやかな反応を「さび」と言うことに関してはしっかり把握しておこう。またグラフを書く問題も出題されている。理科の問題でグラフを書く問題は出題されることが多いが、知識がなくても出来る問題である。表に書いてある正確な点をグラフ上に書いて正確に直線を結ぼう。

密度に関する問題は、「等しい物質では密度が等しい」ことを踏まえた内容になっており、「密度(g/cm3)=質量(g)÷体積(cm3)」を使うことによって簡単に計算できる内容になっていた。平成22年度には、状態変化の中で「質量が等しくて体積が増えると密度は小さくなる」という知識を問う問題を、水が固体から液体へ状態変化することと絡めて出題している。

 

平成21年度には、実験器具を書く問題や何故その実験器具を使う必要があるのか記述で述べさせる問題が出題された。エタノールの蒸留の実験は、教科書にも載っている有名な実験なので、「何故ゴム栓をしてはいけないのか→危ないから」「何故冷やす必要があるのか→気体が液体に戻りやすいから」という理由はしっかり頭に叩き込んでおこう。また、「蒸留」という言葉を選ぶ出題もされたが、蒸留、ろ過、再結晶については、どういうものであるかきっちり述べることが出来るまで理解力を高めよう。

 

平成22年度には再び状態変化についての出題があった。状態変化で、「メスシリンダー」という実験器具について記述する問題があった。化学では実験の中での出題が多いから、実験器具の名前と使い方についてはもう一度整理しておこう。また、増えた体積について「メスシリンダーの値を読み取る」問題も出たが、これは簡単だったように思う。そして、水と氷では、氷のほうが増えた体積が大きいことから、その体積の倍率を問う出題も、割り算をするだけの簡単な問題なので計算間違いしないように落ち着いて解こう。電気分解の出題に関しては、先に述べているので省略したい。

 

平成23年度に出題された発熱反応の問題や硫黄と鉄の化合は、模試等でもよく出題される非常に重要な内容になっている。そして、今年度の第一回共通テストでも出題されていた。Fe+S→Fes(鉄+硫黄→硫化鉄)という事柄と、鉄に塩酸を加えると水素が発生するのに対して、硫化鉄に塩酸を加えると刺激臭のある硫化水素(H2S)が発生するという事柄から、教科書に載っている磁石を近づけた時の反応などを箇条書きにしてまとめられれば、それだけで何点か取得することが出来る。

 

化学は、1分野だから、苦手意識を持っている生徒も多いように思うが、問題をたくさん解くと「繰り返し同じ問題が出てくる」ことに気付いて勉強が面白く感じる教科だと思う。

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