2012年1月29日
【静岡県 2012年中1学力調査分析(国語)】
こんにちは、家庭教師のトライ静岡本部です。
ご要望をいただき、中1の1月実施分の学力調査に対しての分析と対策について整理しておきます。
今回は、国語についてです。
≪傾向分析・学習アドバイス≫
◆出題範囲
放送による問題
大問1 漢字の読み書き
大問2 説明的文章の読解
大問3 文学的文章の読解
大問4 作文
◆分野別の傾向
【放送による問題】
放送委員の山田君が学校栄養士の中村さんにインタビューをする。そのインタビューが放送され、
4問の出題があります。放送を聞きながらのメモの取り方がポイントとなります。
・メモは多く取り過ぎず、要所をとらましょう。
・要所は5W1Hを意識しましょう。「いつ・どこで・誰が・何を・なぜ・どのように」
問1はいつ。問2は何。問3はなぜ。問4はどのように。が出題されています。
【漢字の読み書き】
読み5問、書き5問の出題。
読み「営む・批評」が難度やや高め。書きに難しい問題はありませんでした。
日々の漢字練習を単なる作業にしていなければ、満点は十分に可能です。
【説明的文章の読解】
池上彰「〈わかりやすさ〉の勉強法」より出題。
本文の序盤に「この仕事をしていると、これは事実だと痛感します。」とあり、本文を読み始める前に、
本文の後ろについている著者名を見た生徒、かつ池上彰さんを知っている生徒だと
イメージを持ち読み解くことができました。本文内容は理解しやすい文章です。
問5の文章中の言葉を使って書きなさいという問題においても、主条件は同じ段落にあり、
難度は高くありません。問6では「おざなり」という言葉を知っている方が理解はしやすいですが
文章から意味は推測できるので、難度は高くないと言えます。
【文学的文章の読解】
河合隼雄「泣き虫ハァちゃん」より出題。
理由記述が2問、文章中の言葉を使って解答する問が2問出題されています。
国語の記述に苦手意識を持っている生徒は減点が多くなると考えられます。
読みにくさを感じる生徒も出る問題です。その理由として、主人公=ハァちゃん、ですが
日本語の文に多く用いられる主語の省略が少ないので、文中に「ハァちゃん」という言葉が多く、
違和感も感じられます。そういった理由で、傍線部②の前に「われながら」とありますが、
他者が情けないと思っているのではなく、「ハァちゃん自身」が情けなく思っていると
読みとりにくくなっています。
語彙知識においては、「横着もん・花形」がやや難度が高いのですが、文章から意味は推測できます。
「甲乙丙」はわからない場合も解答には影響ありませんが、物語の流れが解釈しにくくはなります。
各場面でのハァちゃんの心情を把握し、移り変わりを意識しながら本文を読む点がポイントとなります。
【作文】
自分の考えや感想を二段落構成で、記述します。テーマは東日本大震災の被災者の方の言葉からの選択。
原稿用紙の使い方、段落ごとに記述すべきこと、文字数などの条件を満たす必要あり。
複雑に立派な意見を求められているのではなく、ルールに基づき常識の範囲において記述をすれば
満点も取れます。内容による加点方式ではなく、条件を満たしていないことに対しての減点方式になっている
ということを意識してみてください。
現中1生の自らの学力の分析に活かしていただき、中2にあがるまでのあいだに
克服する材料にしていただいたり、いま小学6年生の生徒さんが中1になって冬を迎える前の
参考にしていただければと思います。