2011年9月17日
東京都立高校入試 理科② 化学の傾向と対策
こんにちは。家庭教師のトライ東京本部です。
前回の 「 物理 」 に続いて、今回は 「 化学 」分野についてみていきます。
理科と社会は、自校作成校( 日比谷高校 西高校 国立高校 八王子東高校 戸山高校 青山高校 立川高校
新宿高校 隅田川高校 国分寺高校 両国高校 富士高校 武蔵高校 大泉高校 白鴎高校 など)
も共通問題を使用します。
※都立国際高校など、一部3教科型の受験校があります。
平成23年度はどうだった?
平成23年度の理科は、平均点が55.2点。
5教科のなかで最も低い結果が出ました(平成22年度の平均点は66.9点)。
※平成23年度各教科平均点 国語(共通):65.9点 数学(共通)59.8点 英語(共通)58.9点 社会58.6点
【化学分野の出題】
平成23年度は 大問1の小問6題中2題、および大問5の4題、23点分が化学分野の出題でした。
・大問1 問2 「水の電気分解」 配点4点/正答率43.9%
問4 「水溶液・溶解度」 配点4点/正答率73.9%
・大問5 問1 「実験器具配置図作成 アンモニアの発生」 配点2点/正答率46.2%(部分正答率含)
「状態変化による体積変化」 配点3点/正答率45.3%
問2 「中和/酸、中性、アルカリ性」 配点5点/正答率63.8%
問3 「中和/元素記号の記述 N H Cl」 配点5点/正答率8.5%
※化学用語の「 塩 」、と「 食塩 」を混同しているケース、元素記号記述を求められているのに化学式で解答等の誤答。
【対策】
化学分野の中で、頻出単元として押さえておきたいのは、
① 「気体の発生と性質、水溶液」 ※平成23、21、20年度出題。実験が重要。
② 「化学変化/化学反応式」 ※元素記号、化学式、化学反応式、どれで答えるか、中和などの実験が重要。
化学分野はとにかく実験。実験の方法と実験の結果得られることをしっかり答えられるようにしておくことが大切です。
また、実験器具の配置図を正しく書けるようにすることも大切です。
例えば、試験管の傾き具合、ガラス管は水中なのか水面より上なのか、など、気体や液体の性質を理解したうえで配置できるかが問われます。
実験の図だけを勉強するというよりは、一度総復習で実験図つきのまとめノートを作ることをお奨めします。
実験器具の使用法(メスシリンダー目盛りの読み取り:平成22年大問1の小問4 ガスバーナーの操作:平成21年大問5の問1)
も頻出。
各単元を勉強するときに、「いちいち器具の名前と使い方をしつこく細かく確認する」勉強がよいでしょう。
問題集を解いて丸つけをして解説を読むというスタイルだと、どうしても抜け落ちてしまいがちです。
元素記号を正確に覚えることと、物質を化学式であらわせるようになっておくこと、代表的な化学反応式を書けるようになっておくことも大切です。
自校作成校を始めとするトップ校(日比谷高校 西高校 国立高校 など)受験者は、
理科、社会で最低80点、できれば90点を狙いたいところ。また、自校作成校に限らず、
入試で5教科400点以上を目標(駒場高校、武蔵野北高校、竹早高校 など)とする受験生も同様です。
※視覚的に理科を勉強「トライe-カテイ塾」
~ 家庭教師の先生より ~
過去問をみても明らかですが、とにかく「実験」に尽きます。
実験器具の名称と使用法はどんどん覚えてもらいたいです。口頭試問で即答できるようになるまで、毎回質問を投げかけることもあります。暗記するというよりは、図をかき、きちんとまとめて理解をするスタイルのほうが結果的に点数に結びつきます。面倒がらずにまとめノートをつくっていき、最終的には、まとめノートをもう一冊何も見なくても書けるところまで何度も図をつくりましょう。
もちろん、英語や数学など、他教科とのバランスもありますので、少しずつだらだらと勉強するのではなく、単元ごとに短期集中で一つ一つつぶしていくスタイルで勉強してみてはいかがでしょうか。