2011年9月16日
東京都立高校入試 理科① 物理の傾向と対策
こんにちは。家庭教師のトライ東京本部です。
今回から東京都立高校入試の理科について、分野別にまとめていきたいと思います。
今回は、実は得点源!の 「 物理 」 分野を取り上げます。
東京都立高校の入試日程については9月3日のブログをごらんください。
理科と社会は、自校作成校( 日比谷高校 西高校 国立高校 八王子東高校 戸山高校 青山高校
立川高校 新宿高校 隅田川高校 国分寺高校 両国高校 富士高校 武蔵高校 )も共通問題を使用します。
※ 都立国際高校など、 一部3教科型の受験校があります。
平成23年度はどうだった?
平成23年度の理科は、平均点が55.2点。
5教科のなかで最も低い結果が出ました(平成22年度の平均点は66.9点)。
※平成23年度各教科の平均点 国語(共通):65.9点 数学(共通)59.8点 英語(共通)58.9点 社会58.6点
【問題構成】
大問1 小問集合 各分野からバランスよく6問 配点4点×6=24点
大問2 自然と人間 融合問題 4問 配点4点×4=16点
大問3 地学分野(地震) 記述問題1問あり 4問(問1が記号選択と記述) 15点
大問4 生物分野(細胞) 4問(問2が記号選択2問) 15点
大問5 化学分野(化学変化) 4問(問1が実験図完成と記号選択) 15点
大問6 物理分野(電流と回路発熱量) 3問(問3が記述) 15点
というように、バランス良く出題されています。
【物理分野の出題内容】
平成23年度は 23点分が物理分野の出題でした。
・大問1 問3 「物体が糸を引く力」 配点4点/正答率37.3%(大問平均正答率57.6%)
・大問2 問4 「エネルギー資源の利用」 配点4点/正答率58.9%(大問平均正答率65.9%)
・大問6 問1 「回路図」 配点5点/正答率57.3%
問2 「発熱量・抵抗」 配点5点/正答率37.3%
問3 「発熱量・回路」条件指定記述問題 配点5点/正答率18.2%
※苦手とする受験生が多い、電流とその利用の発熱量が出題されたことが正答率を大きく下げたと思われます。
【対策】
物理分野の中で、頻出単元として押さえておきたいのは、
① 「光と音」 ※平成23年度は出題されていませんが20、21、22年度出題
② 「力と圧力」 ※計算力と基本原理を押さえる
③ 電流とその利用 ※毎年出題。磁界、回路、図を用いる問題が頻出
④ 運動とエネルギー ※平成23年度は大問2の融合問題で触れられた程度だが毎年出題
物理分野は苦手意識が先行し、結果的に受験勉強に時間を費やしていないケースが多く見られます。
物理分野は、各単元ごとにきちんと勉強し、確実に解ける単元を増やすのが重要です。
暗記科目だからと丸覚えをしようとするためうまくいかないというのが物理分野の特徴です。
繰り返し実験をする(実験の様子を視覚的に見る)こと、実験図を丁寧に描いて理解を深めること、
この2つが理解を深めるためには大切です。
自校作成校を始めとするトップ校(日比谷高校、西高校、国立高校など)受験者は、理科、社会で最低80点、できれば90点を狙いたいところです。
また、自校作成校に限らず、入試でで5教科400点以上を目標(駒場高校、武蔵野北高校、竹早高校 など)とする受験生も同様です。
※視覚的に理科を勉強「トライe-カテイ塾」
~家庭教師の先生より~
理科が苦手という中学生のほぼ全員が、物理分野を「よくわからない」と敬遠します。
特に、保護者の方で理科が苦手であったという方の中には、お子様とお話しされる際に、
「物理は難しい」、「うちの家系は代々理科系は苦手だ」 というようなことをおっしゃっていることがあります。
そうすると、こどもは無意識に「理科に向いていないんだな」と思い込んでしまうことがよくあります。
確かに、高校生で学ぶ物理はハードルが高い部分もありますが、
中学生で学ぶ物理の内容は、比較的目に見える現象を扱っていることが多く、高校生ほど得意不得意の差は出ません。
中学生までは、覚える公式も数が少なくかつシンプルです。
おまけでさらっと勉強するのではなく、一単元一単元をきちんと勉強しなおすことをお勧めします。
どうしても理解できない、という単元が一つ二つは残るかもしれませんが、きちんと勉強すれば、
解けるようになる単元は増えていきます。
ぜひ、物理分野にも挑戦してください!