2022年2月25日
2022年大学入試共通テスト概況分析 第4回 数学IA
こんにちは。
家庭教師のトライ茨城校です。
今回は、共通テストの数学IAの概況についてお伝えいたします。
数学IA
平均 37.96点(昨年比-17.22点)
分量 やや増加
難易度 難化
大まかな傾向 見慣れない問題や、解答方針が立てづらい難解な問題が出題。
問題構成
(大問数 5 第1問・第2問は必答、第3問~第5問より2問選択)
1 数と式・図形と計量 (↓の問題pickup で詳しく解説!)
2 2次関数・データの分析
3 場合の数と確率
4 整数の性質
5 図形の性質
概観
昨年より大幅に難化しました。日常の現象を扱い、会話文でヒントや方針を与える共通テストの傾向は保持しつつも、思考手順が多い上に誘導に乗りづらい難解な問題も出題され、非常に厳しい試験でした。
問題pickup
・第1問は、地図情報を使って、キャンプ場から山頂を見上げる角度(仰角)を求める問題でした。
地図から得た角度と、実際の縮尺を組み合わせて、仰角を計算する問題でした。三角比の原理原則を忠実に考察すれば正答を選ぶことができました。
ポイント:問題に関係のない言い回し
「国語のテストを解いているかと思った」とも揶揄されるほど、数学の問題文が長文になっています。
何故、このような変化が起きているのでしょう。
教育改革において重視される学問の3要素として、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」があります。
この中でも「主体性」すなわち「学びへの姿勢・興味」の部分を問うために、日常で触れる物事を題材にした問題が出題されます。
このような問題には、「解答するために必要のない情報も書かれている」「図や絵を含んだ助長な説明文が続く」といった特徴があります。また、数学らしからぬ言い回しや対話文を含む問題も出題されています。これが、数学が長文化する要因です。
このような「問題文の長文化」・「解答に関係ない情報が書かれている」という傾向は、数学に限らず共通テスト全体での特徴です。
主旨を理解するため、条件を見逃さないため、正確でスピーディーに読み進める必要があります。数学を含めあらゆる科目に、国語の読解力が求められるでしょう。
しかし、設問で問われていることは基礎的な内容で、教科書の範囲から逸脱していません。今回の数学IAは、見慣れない問題が多かったことが低得点の要因でしたが、問われている知識そのものは教科書の範囲を逸脱していません。題材に惑わされず「何が問われている問題なのか」を見極めることがポイントになります。
来年に向けた対策方針
今年度の揺り戻しで、来年度は易化するという可能性もありますが、油断は禁物。 「見慣れない設定の問題を自分で方針立てて考える力」が身につけられるような勉強をしましょう。
・計算問題:
余計な計算を省けば計算時間が短縮できます。問題演習の際は、どの式なら暗算できたかを見直すようにしましょう。
「正解できた問題」であっても、見直しを行う習慣を付けましょう。自分のやり方より、効率の良い求め方があるかもしれません。
・図形の性質:
図を書き、与えられた条件を書き入れていくようにしましょう。場合に応じて、「問題の一部のみを拡大した図」や「別方向からみた図」を書くことも、理解の助けになります。
普段から、図で考えるクセをつけておきましょう。
・データの分析:
与えられた図ごとの”違い”に注目し、”違い”をヒントに問題文を読み、選択肢を絞っていきましょう。
・誘導問題:
「問題の意図(何を求めさせたいのか)を理解できるか」が、共通テスト数学を効率よく解くカギとなります。 問題演習をした後、「誘導に上手く乗れたか」を振り返る時間を日常的に作りましょう。