2022年4月16日
2022年大学入試共通テスト概況分析 第11回 政治・経済
こんにちは。
家庭教師のトライ茨城校です。
今回は、共通テストの政治・経済の概況についてお伝えいたします。
政治・経済
平均 56.77点(昨年比-0.26点)
分量 例年並み
難易度 例年並み
大まかな傾向 4択問題が減少し、組み合わせ問題や多肢選択問題が増加した。
問題構成
(大問数 4 解答番号数 30)
1 まちづくり
2 経済主体 (↓の問題pickup で詳しく解説!)
3 新聞の一面
4 地方自治
概観
多様な資料を読み取った上での論理的思考力が求められています。初見の資料であっても細部まで見渡して手がかりを探すようにしましょう。
問題pickup
・第2問は、労働法改正で有期労働契約の期間が延長したことを確認する時事的問題でした。(参考:労働契約(契約の締結、労働条件の変更、解雇等)に関する法令・ルール―厚生労働省)
求人情報の例が労働法規に抵触しないかどうか、検討する問題でした。基本的な労務知識、特に数字をおさえておく必要がありました。
※比較的問題文が短かったので掲載してみました(文章・フォーマットは一部改変しています)。皆さんも一緒に考えてみてください。
Q:下線部のうち、雇用に関係する日本の法律に抵触するものはどれでしょうか。(答えはページの下部)
◆求人広告◆
●パート・アルバイト
ア 労働時間:1日当たり6時間、週6日
イ 雇用契約期間:3年
ウ 有給休暇:付与なし
ポイント:あなたの身を守るための政治・経済
※このコーナーは、受験とはあまり関係のない内容です。興味のない方は読み飛ばしてください。
長く苦しい受験生活が終われば、華の大学生活が幕を開けます。
あなたが大学生になったらやりたいことは何ですか?
一人暮らしをしたい、アルバイトを始めたい、友達と旅行に行きたい、車の免許を取りたい……。
高校までではできなかったさまざまなことを思い浮かべるのではないでしょうか。
大学生活は、人生の中でも最も自由な時期です。
しかし、あらゆるメリットには対価がつきものです。
高校生までは、「親や学校からの庇護」の対価が「不自由」でした。
そして大学生からは、「自由」の対価として庇護を失い「責任」を負うことになるのです。
そして残念なことに、「庇護」を失った大学生を狙う、悪質な大人は数多くいます。
マルチ商法、ブラックバイト、カルト宗教への勧誘・・・。
彼らは常に、「自由」だけを与えられたが身を守るすべを持たないものを虎視眈々と狙っているのです。
これからあなたの身を守るのはあなた自身、さらに言えば「あなたの知識」です。
特に法律や社会の仕組みについての知識は、先ほど挙げたものからあなたを守る強力な武器になります。
例えば、問題pickupで取り上げたのは、法的に問題のある求人広告でした。
雇用契約に関する知識が備わっていれば、おかしな求人広告にも気づくことができ、ブラックバイトを回避することができます。
政治・経済は単なる受験科目ではありません。これから社会にはばたくあなたのため、武器を授けてくれるものです。
来年に向けた対策方針
計算問題は登場しませんでしたが、時事問題の割合が増加しました。時事問題と経済問題で得点差がつきやすいのでしっかり演習しましょう。基本となる用語を理解し、解法の手がかりをつかむには資料のどこに注目するべきかを抑えましょう。
その他の対策方針
・知識:
教科書に登場する基本語句を人に説明できるレベルまで理解しましょう。
・思考力:
背景知識と資料から得られた情報を、合理的に推論する練習をしましょう。
・時事問題:
近年の話題が出題されやすいため、数年分の政治、経済、国際分野の出来事を調べておきましょう。
新聞やwebニュースに目を通す習慣をつければ、推薦入試や後期入試の小論文や面接にも応用できます。
A:ウのみ
解説:
ア:労働時間(労働基準法)
1日当たり8時間、1週間当たり40時間→6時間×6日=36時間なので基準内
イ:雇用契約期間
有期労働契約の上限は3年。専門的知識を有するもの、60歳以上は5年
ウ:有給休暇
有給休暇は労働者の権利で企業が付与しないことは認められない。