2011年11月3日
東京都 中学受験:社会
こんにちは。家庭教師のトライ東京本部です。
前回紹介した理科同様、社会は「暗記科目だから」と取組みが甘くなったり、
「苦手だから」と後回ししたりする生徒さんも多く、勉強の時間の確保が大きなテーマになります。
得意不得意がはっきりしているのが『 社会 』です。
【社会が得意な生徒の場合】
<目標点数の設定>
まずは目標点数を高めに設定します。
例えば、4教科の合格最低点が260点/400点満点の中学を受験する場合、
1教科平均は、260点÷4教科=65点になります。
社会を85点、国語、算数、理科を65点と設定すると、万が一国語・算数・理科のうち
1教科がうまくいかなかったとしても、社会でカバーできる可能性を残せます。
場合によっては、苦手教科の目標点数を少し下げるという手もあります。
<得意な生徒の落とし穴>
小学5年生までの学年の場合、得意科目だからとあまり勉強時間を割かないケースがあります。
これはあまりおすすめできません。なぜなら、中学受験で問われる知識は高校受験レベルのことも多く、
正確に知識として獲得しておく必要があります。模試やテストの点数が下がったときに、
それを「たまたま」と片付けてしまうと、そこが穴となって残ります。
「好きな教科だけど気づいたら点数がとれなくなっていた」ということは少なくありません。
得意教科こそ、確実に得点源にできるように時間を確保したいものです。
小学6年生の場合、受験直前ですから、算数を中心に苦手教科の補強と過去問演習が受験勉強の中心になります。
得意教科は過去問を解くだけ、ということもよくあります。
ただし、記憶は時間がたてばあいまいになるものです。錆びつかぬように、すきま時間を活用して学習しましょう。
◎すきま時間学習の例◎
・休憩の時や食後などに、一問一答形式の問題集をチェックする
・苦手教科の勉強の後に 「 ごほうび 」 として社会の勉強を30分おこなう
・毎日5~10分、地図帳や年表を眺める時間を作る
【社会が不得意な生徒の場合】
<目標点数の設定>
特に受験生の場合は、残された時間がわずかですので、
勉強にかけた時間と得られる効果の期待値を、科目ごとに冷静に考える必要があります。そのためにはまず、
「 苦手な社会で最低何点は取る 」というラインを設定することをお勧めします。
そして、勉強する範囲、深さを設定し、学習時間を決めます。
例えば、4教科の合格最低点が260点/400点満点の中学を受験する場合、
1教科平均は、260点÷4教科=65点になります。そこで、
国語、算数、理科で平均プラス何点を目標にするかを設定し、それを考慮して社会は最低何点必要かを算出します。
例えば、「理科は得意で、国語も安定して点数が取れる、算数は不安定で、社会が苦手」というようなケースで、
理科80点、国語70点、算数60点と設定すると、社会は最低ラインが50点となります。
<勉強の工夫>
地理の基本は地図に慣れることと、農産物や工業に関する地域の特性を覚えることです。
遠回りでも、白地図を色鉛筆で埋める作業、
そしてその地図を見る機会を増やすために壁に貼るという方法があります。
まずは目にする機会を増やすことです。これは歴史でも同様です。
面倒でも年表を作ってみるという手があります。模造紙を切って巻物のように年表を作ります。
「 地図 」 や 「 年表 」 は、「必ず見えるところに貼り出し」ましょう。
◎過去の受験生の例◎
・食事の時に子供が座る席から見えるところに貼る
・トイレの扉の裏面に貼る
・冷蔵庫に貼る(見る⇒貼ってあることに関する質問を家族がする⇒答えられたら冷蔵庫を開ける)
目にする機会を得られる環境をつくることがポイントです。
歴史は連続する壮大なドラマですから、古代から順を追って勉強するほうが知識の定着が良いようです。
受験直前期は、傾向分析をおこなって、時代ごとを切り取って勉強するのも手ですが、
時間があるうちは、最初から物語を読むように勉強することをお勧めします。
【最後に】
中学受験の社会の勉強には、第一に受験で点数を取るという目的、
第二に子供たちが社会に出ていく興味・関心を持つきっかけになるという目的があります。
政治経済、時事問題に関する分野は、むしろ保護者の方の出番です。
保護者の方が、ポジティヴに説明をしてあげる、
興味が持てるように話を盛り上げながら説明をしてあげるというのも効果的です。
社会が苦手な生徒にとって 「 自分で調べなさい 」 「 暗記しなさい 」 と言われるだけでは、
何の解決もせず、ますます嫌いになることもあります。
もし保護者の方が答えられないような内容を質問された時は、
「お母さんもこれは知らないから知りたいな。一緒に調べてみようよ」と誘ってみるのも一つの手です。