2022年3月2日
2022年大学入試共通テスト概況分析 第6回 国語
こんにちは。
家庭教師のトライ茨城校です。
今回は、共通テストの国語の概況についてお伝えいたします。
国語
平均 110.26点(昨年比-7.25点)
分量 例年並み
難易度 やや難化
大まかな傾向 現・古・漢の全てで複数の文章を考察する問題が出題された。
問題構成
(大問数 4 解答番号数 36)
1 論理的文章『食べることの哲学』『食べるとはどういうことか』
2 文学的文章『庭の男』 (↓の問題pickup で詳しく解説!)
3 古文『増鏡』『とはずがたり』
4 漢文『揅経室集』
概観
全体的にやや難化しました。大問構成、マーク数はほぼ変化はありませんでした。複数の文章が扱われ、各文章の要点や共通点などを整理させる設問が増えました。現代文の文章量は昨年と比べて800字程度減少しました。
問題pickup
・第2問(小説文)で、傍線部に対して理解を深めるために視点をノートに整理する問題が出題されました。
文中にある「案山子」から派生して、国語辞典に載っている案山子の意味や、歳時記の俳句などの資料を読み解きつつ、本文中の主人公の心情変化を追いかける必要がありました。
このような、本文以外の資料(メモやノート、先生と生徒の会話)と本文の情報を組み合わせて解く問題は、現代文・古文・漢文すべての分野で出題されています。
複数の文章を合わせて考え、必要な情報を抽出する高度な読解力や、文章を読むスピードが要求されるため、形式に慣れておく必要があるでしょう。
重要箇所に線を引く・要点をメモする等の工夫をすることが必要です。これをしないと、前のページをもう一度開いて読み直す回数が多くなり、大きなタイムロスになります。
ポイント:時間配分はどうすべき?
国語の大問数は全部で4つ、配点は50点ずつ、試験時間は80分。つまり大問1つあたり20分ずつで解けばちょうどいい、と見せかけて、実はそうではありません。
文章量でいえば、現代文は古文漢文より長く、20分では解ききれないことがあります。
逆に、古文漢文は文章量が少なく、また文章の大筋さえつかめれば問題を解けるので、短い時間で解くことができます。
これを踏まえると、国語の理想的な時間配分は以下の通りです。
現代文(評論):25分
現代文(物語・エッセイ):25分
古文:15分
漢文:15分
もちろん、それぞれの得意不得意により、差は生じますが、「現代文を長めに古典を短めに」を意識して時間配分を決めるとよいでしょう。
普段の演習でも、解答時間を意識し、大問を一つ解くのに何分かかったか記録するようにしましょう。
あらかじめ決めていた時間をオーバーしてしまった場合は、なぜそうなったか自己分析を行い、次の演習につなげましょう。
来年に向けた対策方針
読解力は全ての源
前々回のブログでも書いた通り、問題文の長文化傾向が全科目でみられます。
個々の科目の知識や能力が身についていたとしても、問題を読み取る速度が遅ければ時間が足りなくなりますし、
問題の意図を読み違えていれば、正解にはたどり着けません。
すなわち、読解力はあらゆる科目の土台として、ますます必要性が高まっており、ここをないがしろにしていてはいつまでも点数は伸びません。
そして、国語は読解力を純粋に問う科目です。
二次試験で国語が要らないからとないがしろにはせず、しっかりと取り組みましょう。
その他の対策方針
・現代文:
さまざまなジャンルの読解問題に取り組み、まとまりごとに要約しながら読む練習をしておきましょう。
・古文:
単語・文法・古文常識を理解しておきましょう。文章が書かれた背景にも読解のヒントがある可能性あります。
特に有名な作品からの問題(源氏物語・枕草子・徒然草など)については、作品自体の概要を知っていることを前提とした問題が出題されることが多いです。
・漢文:
漢文は、特に基礎知識のあるなしで点数が大きく分かれる科目です。
重要文字・句法・漢詩の基礎学習を重視し、漢文の内容理解につなげましょう。
・複数の文章の比較:
本文以外の資料を手掛かりにする問題は来年度以降も引き続き出題されるでしょう。
文章を読む際に線を引いたりメモをとるクセをつけて、読みながら情報整理できるようにしましょう。