2023年1月21日
【2023年】大学入試共通テスト概況分析 第6回:国語(現代文)
こんにちは。
家庭教師のトライ茨城校です。
今回は、共通テストの国語(現代文)についてお伝えいたします。
国語(現代文)
平均※国語全体 105.17点(昨年比-5.09点)
分量 微増
難易度 昨年並み
大まかな傾向 複数の文章や資料を読み取って考察する問題が昨年に引き続き出題された。
問題構成
(大問数 2解答番号数 20)
1 論理的文章『視覚の生命力――イメージの復権』『ル・コルビュジエと近代絵画――20世紀モダニズムの道程』
2 文学的文章『飢えの季節』 (↓の問題pickup で詳しく解説!)
概観
難易度は昨年並み。設問は2つ、マーク数が1つ増加しました。2つの文章について生徒が話し合う設問(第1問)、追加の資料を用いた設問(第2問)など本文以外の資料を組み合わせた問題が定着してきています。
問題pickup
・第2問(小説文)問7は、本文と【資料】から分かることを【構想メモ】にまとめ、それを基に書かれた【文章】の内容を考える問題でした。
本文・資料・構想メモ・文章の合計4資料を読み解く必要がありました。複数資料が出る問題では、それぞれの内容を理解した上で資料どうしの対応関係を把握する必要があります。
模試などを通じて、複数資料の出てくる問題に慣れておきましょう。
ポイント:比喩表現の方向性
小説の読解問題では、出てくる比喩表現やモチーフの表すものを考える問題が出てきます。(今回の共テでは問7(ii))
このような問題が出たら、まずその表現があらわすものが「ポジティブ」か「ネガティブ」どちらかを考えると、問題の方向性がわかりやすくなります。
実際の問題(今年度共通テスト問7(ii) 解答番号20)を用いて説明します。
【文章】※本文とは別の資料。詳しくは上の問題pickupを参照
(前略)「私」の「飢え」について考察すると、「かなしくそそり立っていた」という「焼けビル」は【Ⅱ】と捉えることができる。
問:空欄【Ⅱ】に入るものとして最も適当なものを、次の①~④のうちから一つ選べ。
①「私」の飢えを解消するほどの給料を払えない会社の象徴
②「私」にとって解消すべき飢えが継続していることの象徴
③「私」の今までの飢えた生活や不本意な仕事との決別の象徴
④「私」が会社を辞め飢えから脱却する勇気を得たことの象徴
これは「『焼けビル』が比喩するものは何か」を問う問題です。
文中では焼けビルは「かなしくそそり立っていた」と書かれています。「かなしく」ということは、焼けビルはネガティブなものを例えているということです。
選択肢のうち、③「決別の象徴」④「勇気を得た」はポジティブな表現で、感情の方向が真反対なので選択肢から除外できます。
大雑把に感情の方向を考えてあたりを付けることで、空欄の直前を読むだけで選択肢を2択に絞り込めました。
このようなテクニックも活用して、時間短縮を目指しましょう。
来年に向けた対策方針
・語彙:
共通テストでも漢字問題は出題されます。配点も5問で合計10点と大きめです。
しかもこのような問題は平均正答率が非常に高く、落とすととてもまずいです。
日頃から本を読むなどして文章に触れ、漢字や語彙の定着を目指しましょう。
・複数の文章の比較:
文章を読む際に線を引くなどの習慣をつけ、読みながら情報整理できるようにしましょう。
対比表現を別の形で囲む・別の線を引く などの工夫をすると読みやすいです。
・読解:
様々なジャンルの読解問題に取り組み、まとまりごとに要約しながら読む練習をしましょう。
・本番対策:
問題集や過去問を解く際に時間を測り、文章を読むスピードを上げる訓練をしましょう。
自分にとって解きやすい・ミスしにくいやり方を模索することも大切です。
参考:2022年度の概況分析はこちら
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