2023年3月25日
【2023年】大学入試共通テスト概況分析 第8回:日本史
こんにちは。
家庭教師のトライ茨城校です。
今回は、共通テストの日本史の概況についてお伝えいたします。
日本史B
平均 61.06点(昨年比+8.25点)
分量 例年並み
難易度 やや易化
大まかな傾向 初見資料の読解と、歴史事項の年代を重視する出題が続いた。
問題構成
(大問数 6 解答番号数 47)
1 日本の地図の歴史
2 古代の陰陽道
3 中世の日本経済と京都 (↓の問題pickup で詳しく解説!)
4 江戸時代の人々の結びつき
5 幕末~明治の時代考証
6 近現代の旅行の歴史
概観
小問数は変化なし。初見の文書資料に加え、古地図や江戸時代の名簿の写真資料などが登場しました。中世の経済を模式図で表すなど新傾向の問題もありました。また国際的な知識も求められました。
問題pickup
・第3問 問5は、中世の経済を表す模式図を完成させる問題でした。
大問全体の誘導を意識し、大問内の資料から当時の情勢を読み取ることで、図が「貨幣経済」に関するものだと気づく必要がありました。
その問題単体では解くのが難しく、前の問題の内容や会話文全体の内容を踏まえて考える必要がある、というのは、今までの日本史のテストにはあまりなかった要素です。
来年度の模試では、こういった形式の問題も出題されると考えられるので、積極的に模試を受験して練習を重ねましょう。
来年に向けた対策方針
昨年に引き続き、歴史事項の年代の知識を問う問題や並べ替え問題が多く出題されました。
年代配列問題といっても、「○○があったのは何年か答えなさい」といった、直接年号を問うような問題は出てきません。こういった問題に求められるのは、事項ごとの因果関係の理解(○○があったから、××になり、それが原因で△△が起きた)です。
しかし場合によっては、年号の知識がないと解きづらい問題も出てきます。
「歴史は好きだけど年号を覚えるのは苦手……」という人はきっと多いと思います。
歴史のターニングポイントとなる出来事や、語呂合わせで覚えやすい年号、区切りのいい年にあった出来事のみ暗記しておけば、大体対応できます。
★覚えておくと便利・覚えやすい年号★
・57年→光武帝が漢委奴国王に金印を贈る(『後漢書』東夷伝)
高校日本史で出てくる最古の年号であり唯一の2桁年号。
・538年→百済から仏教が伝来
「百済の寺にご参拝(ごさんぱい)」で覚えよう。
・645年→乙巳の変(に始まる大化の改新)
「蒸し殺す(むしころす)大化の改新」で覚えよう。
・710年→平城京遷都&奈良時代のはじまり。
「なんと素敵な平城京」で覚えよう。
・794年→平安京遷都&平安時代のはじまり。
「なくようぐいす平安京」で覚えよう。
・894年→遣唐使の廃止
「白紙(はくし)に戻そう遣唐使」で覚えよう。
・1185年→平氏滅亡&守護・地頭の設置
「いいはこ作ろう鎌倉幕府」で覚えよう。(近年では1192年(いいくにつくろう鎌倉幕府)ではなくこっちが鎌倉幕府の始まりとみなされることが多い)
・1392年→南北朝合一
「いざくにまとまる室町幕府」で覚えよう。(「いい国作ろう鎌倉幕府」のちょうど200年後)
・1582年→本能寺の変
・1600年→関ヶ原の戦い
キリが良くて覚えやすい。
・1868年→戊辰戦争開始
江戸時代の終わり・明治時代の始まりという日本史の超重要ターニングポイント。
「いいや論破(いいやろんぱ)で無血開城」で覚えよう。
・1925年→普通選挙法&治安維持法
キリが良くて覚えやすい&歴史のターニングポイント
・1945年→太平洋戦争終戦
キリが良くて覚えやすい。また元号も「昭和20年」とキリがいいので、「1945年=昭和20年」さえ覚えていれば、西暦と年号の変換が楽にできる。
筆者は高校時代、日本史がまあまあ得意科目でしたが、しっかり覚えていた年号はこのくらいでした。
これだけは最低限覚えて、あとはその周辺に起きた出来事との因果関係をしっかり把握するようにすれば、年代配列問題には難なく正答できるでしょう。
その他の対策方針
・歴史の流れ:
政治・経済・社会・文化のそれぞれにある「大まかな歴史の流れ」を自分の言葉でまとめましょう。
共通テストのみならず、2次試験の記述問題の力も養われます。
また、これらは相互に密接した関係にあります。(例:応仁の乱で京都が荒廃し、地方に貴族が避難したことで、地方でも様々な文化が花開いた)
・世界との関係:
日本の出来事だけでなく、東アジアなど同時代の世界の動きを教科書の範囲で押さえておきましょう。
・史資料:
史料問題に取り組むときは、出典や文中の元号を見て「いつの史料なのか」確認しながら読解しましょう。リード文に書いてあることもあるので、読み飛ばさないようにしましょう。
・年号:
時の権力者(天皇・幕府の将軍・首相)と出来事を関連付けられると、年代配列問題がぐっと解きやすくなります。
参考:2022年度の概況分析はこちら
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