2011年11月9日
大阪府 中学受験:大阪教育大学附属天王寺中学校 傾向と対策
今回は、大阪教育大附属中学の中でも、最も偏差値の高い天王寺中の傾向と対策についてご紹介します。
大阪教育大学附属天王寺中学校の傾向と対策
≪基本データ≫
住所:大阪市天王寺区南河堀町4-88 (JR環状線寺田駅下車徒歩2分)
募集人員:男女160名(内部進学者約60名含む)
願書受付:12/14(火)・15(水)
入試日程:1次テスト1/15(土) 1次合格者発表1/17(月) 2次テスト1/18(火) 合格発表1/21(金)抽選なし
選抜方法:1次テスト・・・国語30分・算数40分
2次テスト・・・社会・音楽合わせて50分、理科30分、図工・家庭合わせて40分
体育実技(器械運動、陸上運動、ボール運動等より当日指定)
≪算数≫
年度 | 問1 | 問2 | 問3 | 問4 | 問5 | 問6 | 問7 | 問8 | 問9 | 問10 | |||
(1) | (2) | (3) | (1) | (2) | |||||||||
18 | 分数の 計算 |
小数の 計算 |
魔法陣 | 平面図形 | 流水算系・ 椅子の 並べ方 |
速さと 距離 |
平面図形 | 三点三角形 | 立体の体積 | 平図形 面積 |
立体の 体積・ 表面積 |
||
19 | 分数の 計算 |
分数の 計算 |
売買算 | 面積と 密度 |
割合 | 公倍数 | 速さと 距離 |
数列 | 正方形の 並べ方 |
平面図形 三角形 |
体積問題 | ||
20 | 分数の 計算 |
小数の 計算 |
数列 | 場合の数 | 速さと 距離 |
速さと 距離 |
売買算 | 平面図形 立体図形 |
平面図形 重ね合わせ |
平面図形と 移動距離 |
|||
21 | 分数の 虫食い算 |
算術記号の穴埋め | 分数列 | 体積と場合の数 | 売買算 | 場合の数 | 速さと 距離 |
立体図形の体積とグラフ | 平面図形 作図 |
平面図形 | 立体図形・積み木問題 | ||
22 | 分数の虫食い算 | 場合の数 | 分数列 | 速さと距離 | 整数 | 速さと 時間 |
数列 | 平面 図形 |
平面 図形 |
さいころ |
◎出題形式と注意事項
試験時間40分。プリント2枚。問題用紙解答用紙別。計算の余白は充分ではありません。
◎文章題
公式を当てはめる問題がかなり多いです。ただし問題量も多いので、要領良く問題文を読みながら連立していく速さが必要。
◎図形
給水算はかなり高度であるにもかかわらず、解答時間が短いです。また、積み木と数列の融合問題が毎年出題されます。
数列の一般項をすぐに作れるように慣れておきましょう。
作図問題も毎年出題されていますが、解答欄が小さいため自分の思い通りの図形を記載できる能力も必要。
◎全体的に
離散系の奇抜な問題は出題されていないので、基本を早く解ける能力が求められます。
与えられた少ない条件から、要領よく関係式を見つけることが重要です。
数列や数の規則性の問題の出題は少ないですが、図形問題対策として演習しておくことをお勧めします。
≪国語≫
年度 | 問1 | 問2 | 問3 | 問4 |
18 | 随筆 佐藤洋一郎『稲の日本』 |
漢字の読み | 作文 自然、生活、夢、ことばを組み合わせて作文を160字以上で書きなさい。 |
|
19 | 小説 小関智宏 『職人言葉の「技と粋」』 |
四字熟語 | 慣用句 空所補充 |
作文 あなたのお気に入りの本について160字以上で書きなさい。 |
20 | 小説 中西進『にわ』 |
漢字 漢和辞典の引き方 |
慣用句 空所補充 |
作文 あなたの登下校の思い出について160字以上で書きなさい。 |
21 | 物語文 太宰治『人間失格』 |
漢字 部首に付いて |
ことわざ 穴埋め |
小論文 あなたの好きな季節について160字以上で書きなさい。 |
22 | 論説文 鷲田清一 『てつがくを着て、 まちに出よう』 |
漢字 | ことわざ 穴埋め |
小論文 あなたのあこがれる具体的な人物を1人挙げ160字以上で書きなさい。 |
◎出題形式と注意事項
試験時間30分。プリント2枚。問題用紙解答用紙別。
◎長文
例年、問題用紙1枚の半分が最長。作者の心情を表現する問題は出題されませんが、毎年文中の言葉の意味を
説明させる問題が出題。日常使われている意味を文章化できるようにしておきましょう。
◎漢字
部首・熟語・読み方など年によって出題傾向は変わります。部首の名前はきちんと覚えておきましょう。
四字熟語は、意味では無く外形的なジャンル分けで覚えておくのが良いです。
◎小論文・作文
作文と小論文を同一視している学習塾や家庭教師もありますが、根本的に違うものです。
作文:自分の感情を述べる
小論文:自分の意見を述べる
いずれにせよ、トライ式学習法にて論理的な文の組立てを学んでおいてください。
◎全体として
問題文の内容的には、平均レベルです。国語科最終問題の作文によって、合否が分かれると言っても過言ではありません。
そこで、標準的な問題は早々にこなし、残りの時間を作文に充てられるように、かなりの演習をしておく必要があります。
作文は、前もって予想される出題を考えておき、それに合った文章を数本暗記しておくのも手です。
また、前半がどんなに素晴らしくても、後半がきれいに終わっていなかったり、時間切れで書けなかったりした場合、部分点はありません。試験終了まで残り10秒ぐらいで、言いたい事が書けていなくても、「句点」を打ち文章を終了させないと点は得られません。
≪社会≫
年度 | 問1 | 問2 | 問3 | 問4 |
18 | 日本史 弥生時代~江戸時代 小問集合 |
日本史 江戸時代~明治時代 学問の歴史 |
日本地理 日本各地の都道府県 |
公民 世界情勢、時事問題 |
19 | 日本地理 日本各地の都道府県 |
日本史 現在に残る歴史的遺産、 日本文化の発祥 |
公民 世界情勢、時事問題 国会の仕組み |
|
20 | 日本地理 日本各地の都道府県 |
社会科小問集合 日本史、世界史、日本地理、世界地理、公民の1行問題 |
日本史 弥生時代~江戸時代 農作文化について |
|
21 | 公民 世界貿易 |
日本史 弥生時代~江戸時代 現在も残る文化や文化財 |
公民・環境問題 日米同盟、COP15 |
|
22 | 公民 環境問題 |
公民 世界情勢、時事問題 |
社会科小問集合 日本史、世界史 |
◎地理
近畿地方だけではなく、日本の幅広い地域から出題されます。さらに、一部の問題で世界からの出題もあります。
地理については、浅くても構わないので広い範囲での知識を蓄えておきましょう。
◎歴史
毎年、昨年と似た形式の問題がどこかで出ます。必ず過去問に目を通して置きましょう。
また、歴史上の事件や人物よりも、その時代の文化について問われることが多いです。
文化史を押さえておきましょう。また、古墳時代から現代までの歴史の流れを掴んでおいてください。
◎公民
最近は2年続けて時事問題と環境の融合問題が出題されています。
テレビや新聞のニュースなどから、時事問題や環境問題の知識を入れておきましょう。
◎全体的に
地図・グラフ・年表・図を用いた問題が出題されます。音楽の問題との時間配分も考えて取り組みましょう。
≪理科≫
年度 | 問1 | 問2 | 問3 | 問4 | |
18 | 生物 ヒトの呼吸 |
実験器具の使い方 上皿天秤 |
物理 物の溶け方 |
地学 天気図 |
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19 | 小問集合 天秤、食塩水、酸素の発生 モーター、天気図、人の呼吸 |
化学 身の回りの化学 食品化学~でんぷん+ヨウ素液 |
物理 水の沸騰 (ふっとう) |
||
20 | 小問集合 天気、星の運行、物の燃え方 てこ、植物の生活環、動物の生活環 |
物理 物の滑り方、作図問題 |
化学 物の溶け方 作図問題 |
||
21 | 小問集合 昆虫の体、昆虫の生態、磁石・磁針、月の運行、水の沸騰(ふっとう)、植物の生育、ヒトの発生、 受粉、地層、振り子、電磁石、人体の内臓 |
物理 水の沸騰 |
地学 月の運行 |
||
22 | 小問集合 電池、てこ、上皿天秤、化石燃料、身の回りの化学、植物の生活環、月の運行、星の運行、化石、アメダス |
物理 空気の力 |
生物 植物の観察 |
◎物理
最初の小問集合では、物理の用語を問われます。次の文章題では、計算を含む問題が出ます。
また、計算だけではなく理由を筆記させる問いもあるので、何故そうなるのかを必ず理解しておきましょう。
◎化学
小問集合には、「身の回りの化学」と「酸・アルカリと水溶液」が知識問題として出ています。
計算を伴うのは、文章題においてです。化学の文章題の頻度は2年に1度でが今年も出る可能性はあります。
◎生物
毎年「呼吸」について問われています。他に、生活環・昆虫が多く問われます。
文章題は今まで出題されていませんが、出された時の為にも、計算問題にまで手を伸ばして勉強しておきましょう。
(呼吸をした時の二酸化炭素の量など)
◎地学
毎年出題されるのは、月の運行、星の運行。化石、地層についても当然のことながら必要な知識です。
◎全体的に
グラフ・図・写真を用いた問題が出ています。また、生活の中の化学、地震や天候など、身近な理科の知識が
問われている問題が多いです。環境問題についても学習しておいた方が良いでしょう。
≪音楽≫
年度 | 問1 | 問2 | |
18 | 作曲 | ||
19 | 作曲 | ||
20 | 作曲 | 記号の名前 | |
21 | 作曲 | 記号の名前、移調 | |
22 | 作曲 | 記号の名前、移調 |
◎作曲
真面目に作曲する必要はありません。1小節の中に、四分音符を4個分、八分音符なら8個分、
音符や休符を組み合わせて、1小節の中に決められた個数が入っているかだけが正否の判定になります。
たとえば、2小節目は1小節目を1音下げて同じものを書き、3小節目は2音下げて同じように書き、
第2行は、第1行と全く同じものを書く。ずるいようですが、これでも満点の答案になります。
記号についての知識は入れておいてください。
注意事項として、作文と一緒で書き終えていないと満点にはなりません。
≪図画工作≫
年度 | 1 | |||||
18 | 風景画 | |||||
19 | 円柱の描写 | |||||
20 | 円柱の描写 | |||||
21 | 手の描写 | |||||
22 | 手と球の描写 | |||||
要するに、時間内に指定された絵を書くだけの問題です。10分ほどで軽いスケッチが出来れば問題ありません。
求められているのは、『うまい絵』ではなく、『指定された通りの絵』を書く能力です。