教育プランナーブログ

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こんにちは。

今回は皆さんもよくご存じの、『 ウサギとカメ 』の物語 について少し視点を変えてお話ししたいと思います。

家庭学習について、『 ウサギとカメ 』を例にとり『日々コツコツと学習したほうがよい』というのが定説であり、やはりコツコツと我慢強く学習を重ねた人の方が、より深い理解と高い学力を得るものだと思います。

 『 ウサギとカメ 』 は、ヨ-ロッパでは古い歴史を持つイソップ寓話(ぐうわ)の一つで、日本には16世紀後半にポルトガルから伝えられたと言われています。イソップ寓話には、『 北風と太陽 』、『 アリとキリギリス 』など有名な寓話も多く、お子さん方も良くご存じではないかと思います。

 

【 ウサギとカメの物語の概要 】

ある日ウサギはカメに、『 足が遅いね 』と言い、カメがそれならば競争しようと提案します。頭のいいキツネにコースとゴールを決めてもらって、どちらが早くゴールに付けるかを競争します。カメは一度も休まず、ゆっくりですがしっかりと歩き続けますが、ウサギは足の速さに自信があったので競争の途中で木陰で横になって眠ってしまいました。ウサギはちょっとだけ休むはずがかなり眠ってしまったようで、目が覚めてあわててゴールへ跳んで行きますが、カメはすでにゴールしていて、ウサギは競争に負けてしまいました。

日々コツコツと努力を積み重ねることの美徳を伝える話として、日本では明治初期から幼童向きの教訓話として小学校の教科書にも用いられ、1901年(明治34)石原和三郎作詞・納所(のうしょ)弁次郎作曲で歌がつくられて普及しました。

 

【 ウサギとカメの歌詞 】

もしもしかめよ かめさんよ / せかいのうちで おまえほど / あゆみののろい ものはない / どうしてそんなに のろいのか

なんとおっしゃる うさぎさん / そんならおまえと かけくらべ / むこうのおやまの ふもとまで / どちらがさきに かけつくか

どんなにかめが いそいでも / どうせばんまで かかるだろ /  ここらでちょっと ひとねむり / グーグーグーグーグーグーグー

これはねすぎた しくじった / ピョンピョンピョンピョン ピョンピョンピョン / あんまりおそい うさぎさん / さっきのじまんは どうしたの

 

【 ウサギとカメの考察 】

一見ほほえましい物語でもありますが、よくよく考えてみると不思議な物語だと感じる部分もいくつかあります。

 

まずウサギは、野生ではそんなに足の早くない動物で、どちらかというと肉食動物に狩られることのほうが多い弱者のように思いますが、ここでは自分よりも明らかに足の遅いカメに向かって挑発的な発言をしています。人の短所を指摘して、いじめのようであまり良い印象は受けま。いじめたはずのカメから競争しようと誘われ、自分の得意分野の競争に持ち込むことに成功していますが、客観的にみるとウサギにとって明らかに有利な条件で公平な競争とは言い難く、あまり褒められたものではありません。それに、休まずに完走できる程度の短い距離だったのであれば、ウサギはゴールしてから寝たらよかったのに、と皆さんも思われたのではないかと思います。

 

カメも普通に考えて明らかに勝てないような競争分野での挑発に安易に乗るべきではありません。たとえば、ウサギは夜行性だからきっと昨夜も徹夜で駆け回っていて、長距離の競争なら途中できっと居眠りするはずだと計算づくで勝利したのであれば称賛に値しますが、そうとは寓話からは読み取れず、この競争の勝利は偶然のように思えます。自分の実力を過信して軽い挑発に乗ってしまう性格は直したほうがよい気がします

 

もし仮に、自分がカメの立場でウサギの挑発に乗るのであれば、色々な分野で3試合して2勝したほうが勝ちなどと決めて、完全に勝てる分野(自分の得意分野)を盛り込んで勝負を挑みます。

例えば、

・カメは大好物でウサギは苦手で食べられないものの早食い競争

・カメは長生きする生き物なので、何年先まで生きられるかの競争

・水の中でどれだけ長い時間息を止めて潜っていられるかの競争

もしくはゴールまで早くたどりつく競争と限定されてしまった場合には、ゴ-ル地点を 『 川の向こう岸 』 や 『 池の中に浮かぶ島 』 など泳がないとたどりつけないコ-スを選びます。

・ウサギが不得意な泳ぎを必要とするコ-スでの競争

であれば、カメがウサギに勝てる兆しが出てくるのではないでしょうか。

 

この物語から、『 コツコツ地道に努力を継続できる人は最後に大きな成功をおさめる 』 という教訓だけを受け取らず、

自分の得意分野を知り、相手の不得意分野も合わせて理解した上で勝てる見込みのある分野で勝負をする

自分の不得意分野は、上達が遅い可能性があるため人より努力する必要がある

ということを想像して頂けたら幸いです。

 

さて、もう一点。

カメが達成したことは、一定ペ-スで長い距離を歩ききったことであり、加速したり歩く速度が訓練によって速くなったというようなものではありません。

しかし、学習は、目的を持って日々繰り返し訓練を行えば、目覚ましい上達を遂げ、加速度的に学力は向上していきます。

以前は3時間かかっていた学習が、日頃の訓練と理解度の向上により、1時間で終わってしまうなど学習密度の向上がみられます。学習能力全般に言えることですが、暗記力、計算速度、学習スピ-ドなどは、日々のたゆまぬ努力により上達するのです。

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