2011年5月19日
『青森県 良き仲間・良きライバル』
5月17・18日の2日間にわたって、弘前市上白銀町の藤田記念庭園で
将棋の第69期名人戦7番勝負第4局が行われました。
今期の名人戦は、羽生善治名人と挑戦者・森内俊之九段のライバル対決。
両者は小学生の頃からライバル関係にあり、プロ養成機関である奨励会でも同期にあたります。
羽生名人と森内九段を含め、若い頃から目覚ましい活躍をした同世代の将棋棋士を
『羽生世代』と呼ぶことがあります。
羽生名人の言葉には、とても印象的なものがありますので、いくつかご紹介したいと思います。
○ 勝負の世界では、「これでよし」と消極的な姿勢になることが一番怖い。
常に前進を目指さないと、そこでストップし、後退が始まってしまう。
○ 勝ち負けには、もちろんこだわるのですが、大切なのは過程です。
結果だけなら、ジャンケンでいい。
○ 夢は目指したときから、目標に変わる。
○ 基本的に人間というのは怠け者です。
何も意識しないでいると、つい楽な方向や平均点をとる方向にいってしまいます。
だから相当意志を強く持って、志を高く掲げ、核となっている大きな支えを持たないと
一生懸命にやっているつもりでも、無意識のうちに楽な方へ楽な方へと流されていくことがあると思います。
自分自身の目標に向かって、ちょっと無理するくらいの気持ちで踏みとどまらないといけません。
これらの言葉は、学校の勉強や受験勉強にも当てはまることだと思い、
私自身、意識して毎日を過ごしています。
将棋や囲碁、そしてスポーツなどの勝負事と比べて、勉強は成果の出やすいものだと思います。
受験には合格・不合格がありますから、競争相手がいることに変わりないのですが、
どちらかというと『自分自身との戦い』という側面が強いと感じます。
自分1人では怠けてしまうこともあるかもしれませんが、
周りの友人や先輩・後輩を、『良き仲間』『良きライバル』として
一緒に努力を続ける関係が構築できれば、自分1人で頑張るよりも
もっと大きな成果を出すことができると思います。
最後に、羽生名人の言葉をもう1つご紹介して、今回のブログ記事を終わりたいと思います。
○ 一人で走っていたら今もこうして走れているか分からない。
みんな(羽生世代)で走ってきたからこそ今の自分がある。
写真左:【森内九段(左)と羽生名人(右)】