教育プランナーブログ

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2022年11月15日

医学部入試の全体概況

■受験者数そのものは“やや減少傾向”にある

空前の医学部ブームも落ち着き、少子化の影響もあってか、 医学部の受験者数は2020年度以降減少し始めています。一方で、医学部入試が 「簡単になった」という状況ではなく、その難しさは一定以上を維持しており、 ある受験生にとっては、 「年を経るごとに難化している」という捉え方もできます。

◇共通テスト難化でも国公立医学部は受験者増

2022年度入試は新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が落ち着いたものの、大学入学共通テストが2年目となり大きく難化した結果、受験生にとっては自身の点数に自信が持てない入試となりました。 共通テスト全体の志願者は昨年より減少したものの、 受験者数そのものは、 約48.8万人(前年度約48.4万人) と微増しました。 あわせて、 国公立医学部の一般試験前期日程の募集定員、志願者数も微増しました。 2022年度は共通テストが難化したことで平均点が大きく下がったものの、強気の出願傾向が見られたことにより、2021年に引き続き志願者は増加しました。 医学部志願者が増加していることは、コ
ロナ禍における医療人の活躍やコロナ後の社会を見据えた際に安定した職業であるという点などが背景にあると推測されます。

◇2022年度入試での志願者の増減 (国公立編)

2022年入試は地域によって倍率の増減に異なる傾向が見られました。東海地方は岐阜大学を除き、倍率が下がりました。 関東地方では筑波大学、千葉大学、横浜市立大学で倍率が下がり、 群馬大学で上がったことから受験生が流れたことが推測されます。 一方、強気に上位医学部を攻めた受験生は、 後期日程で門戸の広い山梨大学や奈良県立医科大学を選んだことにより、2校は大きく受験者数を伸ばしました。

  また地方の大学では、志願者数が年ごとに増減を繰り返す隔年現象と呼ばれる傾向が見受けられ、 信州大学などで志願者が減少、弘前大学・大分大学などで志願者が増加しています。 新設の大阪公立大学では初年度で様子見が見られたためか、 大阪市立大学のときに比べて倍率が下がりました。 共通テストの難化に関わらず、受験生が強気に国公立へ出願した戦略が志願者数の増減につながっています

◇私立医学部は上位私立の人気高まる

一方、全体的に減少傾向が続いていた私立医学部入試ですが、2022年6月中旬の段階で志願者数を公表している大学では、一般前期・共通テスト利用ともに若干減りましたが、ほぼ昨年並みとなりました。 2022年は受験生が強気に国公立医学部に出願した結果、国際医療福祉大学・慶應義塾大学・東京医科大学・大阪医科薬科大学・産業医科大学など、 併願校となる上位の私立医学部で受験者が増加しました。 また、 入試日程や方式の変更は受験者数に大きな影響を与えました。そのため、日本大学や獨協医科大学では受験者数が大きく変動しました。 私立医学部については、定員に対する志願者の倍率は獨協医科大学一般の54.8倍、 東海大学一般の38.9倍などを筆頭に、 実質倍率は高いままであり依然として私立医学部受験が狭き門であることに変わりはありません。

私立を大量に受ける「チャレンジ層」の受験者数が減っているだけで、“本気度の高い学生”は減っていない、つまり楽観視できる状況ではないと考えられます。

◇2022年度入試での志願者の増減(私立編)

私立医学部では、 試験日が重なることで志願者数に影響が出ることがありますが、他大学と重ならなかった獨協医科大学 (前期) で志願者数が増えました。国公立大学と併願される国際医療福祉大学・慶應義塾大学・東京医科大学・大阪医科薬科大学・産業医科大学は受験者数が増えました。
  一方、東海大学は日程が他大学と重なったため志願者が953人と大きく減少、 形式がN方式に変わり試験日が一週間早くなった日本大学も志願者が 1,285 人とこちらも大きく減少しました。 共通テストの難易度、入試日程、形式の変化による不透明感が志願者数を変化させたと言えます。

■近年の入試問題に見られる重要トピックス

◇思考力を問う問題が増える

主に数学を中心に、これまでは出題の少なかった単元が集中して出題されています。 大問で数IA「集合と論証」 「データの分析」 「図形の性質 (初等幾何)」 など、 典型問題が作りにくい単元での出題が目立ちます。 感染症をモチーフにした問題がすべての科目で出題されるなど、日常的な題材を活用した、パターンにあてはまらない思考力も強く問われました

◇英語の難化

2019年、東京慈恵会医科大が英語の出題形式を大幅に変更したことが話題になりました。 マニアックな語彙や文法を問う形式から、 長文読解メインとなり、継続的に踏襲されています。 福岡大・東海大など、英文和訳を出題する大学は和訳レベルがやや上がり、求められる英語レベルが上がってきた印象を受けます。 英語外部試験を取り入れた兵庫医科大や、国際バカロレア資格を持つ学生を対象とする試験を設けている愛知医科大など、特殊な入試を取り入れる大学も増えました。 医学部は 「2023年問題」 と呼ばれる分岐点を迎えており、各大学に「国際性」が求められていきます。 今後も、コミュニケーションを重視した英語が大学入学時に問われていくと考えられます

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