2012年2月10日
秋田県 式の立て方に気をつけよう
何年か前に広がった文章を紹介したいと思います。
「消えた1000円」
あるとき、3人の男が一緒に宿屋に泊まった。
翌朝、この3人は1万5千円を請求されたので、1人5千円ずつ出して合計1万5千円を女中に渡した。
女中はこの1万5千円を帳場へ持っていったが、主人は、それは何かの間違いで、
3人で1万円でよいのだといって、5千円を3人のお客様へ返すように女中に言いつけた。
ところがこの女中は、5千円を客のところへ持っていく途中で次のように考えた。
『第一、この5千円は3で割り切れない。お客はまだ、3人で1万円でよいということを知らないのだから、
いくらかでもお金が返ってきたら、それでうんと喜ぶだろう。だから、この5千円のうちの2千円は
自分の懐に入れて、残りの3千円を、1人に千円ずつ返そう』
女中はこれを実行したので、お客の1人1人は、最初5千円を出して千円返してもらったので
結局4千円をはらったことになった。したがって、合計4000×3=12000円はらったことになる。
ところが、女中の懐に2000円あるのだから、
12000+2000=14000円である。
ところが、最初に3人の客は15000円出したのである。残りの千円はどこに行ったのだろうか?
1000円の行方は分かりましたか?
【答え】
女中の懐にある2000円は、客の出した12000円にふくまれているので、足してはいけない。
店主の持っている10000円と女中の持っている2000円で12000円になるため、
客の払った12000円と差額はなし。何も問題はありません。
足してはいけない物を足してしまう。
文章題などで式を立てる際に、やりがちなミスです。
ここまで意地悪な文章ではないにしても、引っかかり易い文章というのはありますので、
式を立てる際はしっかりと問題文を読みましょう。