2011年6月26日
『福島県 高校古文』違いを比べてみよう
夏がくれば 思い出す
はるかな尾瀬 遠い空
霧のなかに うかびくる
やさしい影 野の小路
水芭蕉の花が 咲いている
夢見て咲いている水のほとり
石楠花いろに たそがれる
はるかな尾瀬 遠い空
尾瀬は福島県・群馬県・新潟県・栃木県にまたがる、湿原です。
歌にあるようにミズバショウやニッコウキスゲなど貴重な植物が群生する国指定の特別保護地域であり、特別天然記念物に指定されています。
この時期は歌にあるミズバショウのシーズンからニッコウキスゲのシーズンに移り変わる時期。
ワタスゲが綿毛を咲かせているころです。
世界的にも大変貴重な場所ですので、一度は訪れてみてください。
ところでこの「夏の思い出」ですが、みごとな7・5調の詞になっています。
軽快な感じをうけますね。
では似たような文の作りになっている和歌はどうでしょうか。
こちらは5・7調です。どちらかといえば重厚な感じを受けます。
古文で出てくる万葉集と古今和歌集はこの5・7なのか7・5なのかで違いがあります。
万葉集は5・7 / 5・7 / 7 のいずれかで句切れになる事が多いです。
一方、古今和歌集は5 / 7・5 / 7・7 のいずれかで句切れになることが多いです。
学校の定期テストなどで、違いを述べよという設問が出されることもありますので、
このへんのポイントを押さえておくと、周りとは違った解答ができるのではないでしょうか。