2012年7月11日
岡山県 高校入試 国語シリーズ(第1回)~小説問題~
今回は公立高校入試シリーズの国語・小説問題編です。
ご家庭への訪問の際に、
「うちのこどもに読解力がなくて…。普段から読書をしていないからでしょうか?」
と質問を頂くことがあります。
その際には、
「読書だけでは読解力は身につきません。文章の構造を知る必要があります」
とお伝えしています。
今回は、そのあたりについてご紹介できればと思います。
【小説問題のポイント:言葉の持つイメージを理解する】
「涙」という言葉を目にして、みなさんはどのようなイメージを持たれるでしょうか。
「悲しい」、「つらい」、「さみしい」など「マイナスのイメージ」ではないでしょうか。
ただし、涙という言葉が次の様に使われると、イメージが変わるでしょう。
「A君は、合格掲示板の前で、拳を掲げ涙した」
状況として、合格発表の場面を想像できると思います。
この文章では、同じ「涙」でも「うれし涙」と読み取ることができます。
このように単語で見ると、固定されたイメージがある言葉でも、
文章の中に入ると、固定されたイメージが覆ることがあります。
一つの方向性からのイメージだけでなく、
文章の前後から多角的にイメージを探れるようにできるとよいでしょう。
【小説問題のポイント:暗喩に注意する】
「隠喩」の読み方は分かるでしょうか?
「いんゆ」と読みます。比喩の一つです。
比喩であることを明示する「・・・は、~のようだ」といったものではない比喩を指します。
例えば、以下のような表現です。
「人生は旅だ。僕らと一緒に旅をしてくれないか」
「旅」を「人生」における「困難」などに置き換え
それに向かって、協力してほしいといった内容と読む事ができます。
与えられた言葉を直接的に読むのではなく、
その言葉が、何を指しているのか読み解くみ解く必要があります。
国語力の習得には読書量も大きく影響します。
しかし、正しい着眼点を持ち演習することは、
ただ闇雲に読書量だけを増やすよりも、効果があります。
国語の読解法に不安のある方は、ぜひご相談ください。