2011年4月19日
『山形県 続・身近な歴史に触れてみよう』
前回に引き続き、歴史の学習について書いていきます。
歴史は暗記教科ではありません。
暗記のみで対応できるのは学校の定期テストまででしょう。
歴史に限らず社会科全体に言えることですが、大切なのは「繋がり」を考えることです。
また、その出来事がなぜ起きたのか、なぜそうなったのかという「原因」や「背景」を捉えることも大切です。
例えば、「794年 平安京遷都」を覚えたとしても、これだけでは年表の穴埋めくらいにしか役に立ちません。
重要なのは、「なぜ平安京に都を移すことになったのか」という「原因」を考えることです。
この時代、疫病や飢饉が蔓延し内乱も相次いで、朝廷の権威が衰えていました。
朝廷は混乱を鎮めるため仏教の力を借りることになります。
最初は平城京やその周辺に寺院を建立していましたが、やがて全国に国分寺や国分尼寺を立てていきます。
その結果、仏教の力が強まり、政治にも口を出すようになりました。
そこで朝廷は、仏教勢力を排除し政治の実権を取り戻すために、遷都を決意するのです。
また、この頃の仏教勢力は、政治力だけでなく軍事力も持っていました。
それが戦国の世に一大勢力となり、織田信長と対立することになります。
信長は、ただ単に敵対勢力だからという理由だけではなく、
宗教が政治力と武力をもち合わせた危険な勢力に成長していたことから、弾圧したと理解することもできます。
このように、歴史はある特定の出来事を切り取って暗記するよりも、全体の流れを把握することが大切です。
教科書に載っている歴史上の出来事は「結果」であり、その「結果」には「原因」があります。
そしてその「結果」もまた、別の出来事の「原因」となっています。
そして歴史上の出来事は1つの場所だけで完結するものでもありません。
なぜその場所で起きたのかということを考えていくと、結果的に地理の知識も強化することができるのです。