2011年9月17日
山形県高校入試 理科②化学分野の傾向と対策
山形県高校入試の傾向と対策、今回は理科の化学分野についてです。
1. 出題傾向
山形県の入試問題は基礎から応用まで幅広く出題され記述の問題も比較的多めです。
記述は言葉の説明というよりは、実験の結果や学習した知識から考察して答えさせる傾向にあります。
下に過去の入試問題で出された記述問題を載せるので考えてみましょう。
〈2011年度〉
[大問4]
問1(1)試験管Aで発生した気体は下方置換法で集めることができるが、
それはなぜか?その理由を、発生した気体の性質に着目して、書きなさい。
問6(1)(H管電気分解装置でうすい塩酸を電気分解した)この実験で発生する塩素と水素の量(体積)は
同じであると考えられるが、集まった気体の体積を比べたところ、塩素の体積は水素の体積より少なかった。
集まった塩素の体積が少ないのは、塩素にどのような性質があるからか、書きなさい。
[解答]
問1(1)(例)空気より密度が大きい(空気より重い)から。
問6(1)(例)水に溶けやすい性質。
問1は二酸化炭素-下方置換、アンモニア-上方置換、
水素/酸素-水上置換の組み合わせを暗記しているだけでは答えられません。
その収集法の利点を知っていれば、おのずと気体の性質を導けます。
問6はそれぞれの気体の性質を理解しておく必要がありますが、
たくさん問題演習している人なら、塩素の収集に水上置換は不向き→塩素は水に溶けやすい、
ということに気付けるかもしれませんね。
2. 来年度の予想
全体の大問数が少なくなった分、ひとつひとつの内容が細かくなっています。
化学の実験はひとつの単元というより様々な角度から問われることが多いでしょう。
出題数は大問で1~2題。記述の割合はむしろ多くなると思っていたほうが良いかもしれません。
もちろん知識問題も出ますので、焦らずに解ける問題から進めましょう。
3. 対策
教科書で学習する主な原子、化学式、気体の性質は理解しておきましょう。
化学の計算は複雑ではありませんが、数字やグラフの読み違いで失点する可能性はあります。
問題文が多いので、圧倒されないように過去問で慣れておく必要があります。
記述で得点していくなら、普段の問題演習から、なぜ?を追求するようにしましょう。