2011年6月8日
『山形県 身近に潜む数学』 変化球はなぜ曲がる
山形県内では高校総体が終わり、今月末には全国高校野球山形県大会の抽選も行われ、
いよいよ夏が近づいてきた実感がわいてきます。
高校球児の白球を追う姿や、全力でプレイする姿に対して今年も多くの歓声が上がることでしょう。
ところで、最近は高校生でも変化球を自在に操るピッチャーが増えてきました。
ボールの握り方や投げ方で、様々な変化を見せるのですが、
どうして変化球は曲がるのでしょうか。
この素朴な疑問を数学で説明することができます。
まず、ボールが回転しながら前へ進んでいるところを想像してください。
このときボールのある面は、ボールの進行スピード+回転のスピードがかかり、
またある面は、進行スピード-回転のスピードがかかります。
つまり、ボールの各面で速度差が生じていることになります。
速度に差が生じることで、圧力差が生じることになります。
この圧力の差によってボールは様々な変化をすることになります。
これをベルヌーイの定理といいます。
大学数学における微分積分で出てくる内容です。
教科書で公式だけを覚えても、「これが何の役に立つの?」と疑問を持ちがちですが、
数学はこのように身近な現象にも関わっています。
今勉強している数学の分野が、日常のどこで使われているのかを調べてみてください。
皆さんが少しでも数学に興味を持ち、数学を好きになって頂ければ幸いです。
写真左:【ダニエル=ベルヌーイ】
写真右:【ボール周辺の空気の流れ】